

先週末、こまつ座の舞台「組曲 虐殺」を観て来ました。
井上ひさし脚本・井上芳雄主演・音楽は小曽根真さん。
舞台を観たのは「モーツアルト!」以来だから.....おおお、4年半ぶりか

29歳で特高警察により拷問・虐殺されたプロレタリア作家・小林多喜二の、潜伏〜逮捕から死までの2年余を描いた作品です。
タイトル&主人公からしてとても陰惨なイメージを覚えますが、そこは井上作品、笑いもあり考えさせる場面もあり、最後は観客席からすすり泣く声が漏れ・・・・本当にクオリティの高いお芝居でした。
印象的だったのはもちろん、OZが3時間半ずーーーっと「生で」弾いてくれる音楽
ですが、それは後ほど
多喜二を追い詰める特高役の2人(山崎一・山本龍二)が単なる冷酷非道な人物像になっておらず、彼らも貧困の中から這い上がってきた、いわば多喜二の「同志」とさえ言える心境を描いていたこと、これは特筆すべき秀逸さでした。
登場人物はたった6人ですが、それぞれ本当に上手かった
多喜二役の井上芳雄くんをずっと聴きたいと思っていたけど、「モーツアルト!」でも中川くんバージョンを観に行ったので、今回は初・井上王子体験でした。
王子はやっぱり、上手かった
さすがプリンス、さすが芸大卒。
彼の歌声だけは突出しているし、とにかく声質が素晴らしい。せりふでさえも朗々と美しく響く。さすがでございます王子
だたやっぱり、彼は多喜二役をするには線が細いと思う。労働者側の代弁者とするには、あまりにも綺麗&細すぎる
やっぱりもうしばらく、「ミュージカル界のプリンス」路線を行くほうがいいような気がします。
多喜二の姉役の高畑淳子さん、TVで観ると「顔が大きい」イメージですが(失礼

)何の何のとてもお綺麗でした。TVで観るとおり、非常に芸達者でよく通る声!彼女がいないと今回の舞台は成り立たなかったと思います。
石原さとみちゃんは多喜二の許婚役でしたが、清楚で可憐でこれもよく似合っていました。1メートル間近で彼女を観たけど、150センチくらいしかなくてほんとーーーーに小さい!顔はまぁ、普通に可愛いくらいかな
ただまぁ、歌が、ね。周りが芸達者なだけに歌唱力がないというのは可哀相でしたが。
そして音楽
小曽根さんは、この舞台の音楽を頼まれた時、「作曲だけでなく毎日すべての舞台を生で弾かせてほしい!」と志願したそうです・・・・さすがOZ
あまりJAZZっぽい要素のない、舞台劇に徹した音楽でしたが、彼らしいお茶目さ、軽やかさが随所に散りばめられた輝くような音楽が、テーマの悲惨さを和らげていました。
舞台の天井近くにステージが組まれていて、グランドピアノに向かった小曽根っちがずっと見守るようにして弾いていました。もちろん、時々インプロも交えて

すってきーーーーー

3時間半、濃密なひとときを過ごせて本当に幸せでした。
やっぱりいいなぁ、芸術は!
今、もう一度「蟹工船」を読み返しているところです。多喜二のことをもっと知りたくなりました。